重野先生との出会いは、私が高校生の時ですから40年ほど前になります。

当時は大学を出たばかりの若い重野先生に、大学受験の為のソルフェージュを教えて頂いていました。
大学卒業後も暫く重野先生にピアノを教えて頂いたのですが、先生がご家族でイギリスへ行かれる事になり、お別れになりました。それが30年余り前のことです。

その後もピアノの勉強は続けていたのですが、突然ジストニアを発症し、ドレミすら弾けなくなってしまい、4年間色々な病院を転々として辛い思いをしました。
やっと素晴らしいお医者さんに出会う事ができ、一年で元通りに弾けるようになりました。

長い間中断していたピアノの勉強がやっと再開できると言う嬉しい思いと、練習を始めたら又ジストニアになって弾けなくなるのではという不安があり、私はすぐにはピアノを勉強し始める事が出来ませんでした。

丁度その頃、先生の還暦パーティーに参加する事になり、久しぶりに重野先生と再会することが出来たのです。
先生はジストニアの事をご存知で、安心してレッスンをお願いする事ができました。

久しぶりに受ける先生のレッスンは、目から鱗でした。
巨人の星の星飛雄馬状態で「〜しなくてはならない」「〜してはダメ」、とにかくストイックに練習することが正しいと思っていた私の知識とは全く別のものでした。

「〜した方が良いよ」「適当に力を抜く」「疲れたら休む」を言い続けて下さり、気持ちも心も身体も楽になりました。

そして、脳が指をコントロールできるようになる練習で、私は大きく変わる事が出来たのです。
本当に夢のように、以前とは全く違う自分になりました。

今はピアノを演奏する喜びや、レッスンを受ける楽しさを感じながら、練習しています。前よりもうんと少ない練習なのに、前よりも成長を実感できています。

先生、本当に感謝しております。ありがとうございました。
これからもずっとピアノを楽しく勉強して行きます。よろしくお願いいたします。

生徒さん<5>